スロベニアで新聞に載った話

とある企画に参加してスロベニアの新聞に載ったことがあります。

企画の概要としては、スロベニア国内にある観光客があまり行かない田舎の町に行き外国人の視点から感想を寄稿するという感じでした。

旅行資金は新聞社から貰えるし、自分では思いつかないようなところに旅行に行けるので、参加しない理由はなかったです。

 

そんなこんなで新聞社のオフィスに行って、僕はZiri(ジリ/ スロベニア語だとŽiriという町に行けと言い渡されました。

Ziriはスロベニアの首都リュブリャナから、40kmちょいくらい西に行ったところにあります。とりあえず宿を予約し、バスを乗り継いでZiriに向かいました。

 

お昼時にZiriに到着。

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とりあえずお昼ご飯を食べるため、バス停のすぐ近くにあったレストランへ。

アジア人は珍しいのか、レストランのオーナーが話しかけてきました。

何も下調べせずに来ていたので、Ziriの町は何が有名なのかを訊ねてみると、店中に置いてある本やパンフレットをかき集めて持ってきてくれました。

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レース刺繍とか靴作りがここら辺の有名産業らしいです。

 

せっかくならこの地方の名物料理を食べなよと言われたのでそれを注文することに。

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ジリが位置するイドリア地方の名物、Idrijski Zlikrofi。ラビオリに似てるけど、中身は色々バリエーションがあるらしい。おいしかったです。

 

レストランを出るとき、さっきのオーナーがなんと瓶の地ビールをプレゼントしてくれました。「Ziriを楽しんでね」と見送ってくれて、幸先の良い旅のスタートになりました。

 

次はレストランを出てすぐのところにあるツーリストインフォメーションで情報収集。

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むっちゃキモいマスコットキャラクターが出迎えてくれます。

 

ここでガイドを手配することにして、ついでに自転車も借りました。ここからはガイドのおばちゃんと自転車二人旅です。

 

まずは博物館を見に行くことに。靴作りの歴史とかの説明がありました。

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展示を見ていると、偶然Ziriの町長に遭遇してすごく歓迎してもらいました。帰り際、この町長から立派な額縁に入ったレース刺繍をプレゼントとして貰いました。本日2品目のプレゼントです。

 

次はKržišnik Garden and Galleryという、植物園的な場所へ。

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のどかな場所でした。手作りの紅茶とクッキーをごちそうになりました。

 

次はレース刺繍を作っているアーティストのお店へ。店内で色んな作品を見ていると、なんとここでもレース刺繍のプレゼントを貰ってしまいました。

 

また、帰り道にあった教会を見学していると、神父さんに遭遇。なにやら新しい神父さんの就任のお祝いの準備をしているらしく、今夜のお祝いパーティーに招待されてしまいました。120%部外者なのに。さらにはパーティー用のケーキをつまみ食いさせてくれました。

 

そんなこんなで本日の観光はここまでにして、宿に向かうことに。途中あったカフェで、ガイドのおばちゃんがケーキを奢ってくれました。お昼を食べたレストランでも食後にケーキを食べていたので、本日3つ目のケーキです。そんな甘党でもないので正直きつかったです。

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なぜヨーロッパのケーキは、フォークがぶっ刺さった状態で出てくるのか

 

宿に到着。

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ベッドもカーテンも真っ赤の、セクシーな部屋です。

 

今日貰ったものたち。こんなに良くしてもらって、素直に感激です。

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そのあとは適当に町をサイクリングしました。

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夜は星がむちゃくちゃキレイでした。

 

晩御飯は宿に併設されてるレストランで食べました。価格設定が良心的な域を超えてて、グラスワインが0.8€(約100円)でした。まるでサイゼリヤ

ガイド料金も宿もご飯も全体的に安すぎるせいで、新聞社から貰ったお金が全然減りません。どうせ貰ったお金なので、普通なら絶対買わないような変なお土産マグネットとかも買っちゃいます。

 

次の日は、ユーゴスラビア時代の地下基地を見に行きました。

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入口です。

 

中にはちょっとした展示に加えて、当日使われていた調理室やトイレがあり、あとはこんな感じの地下通路が数キロに渡って張り巡らされています。

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外を監視するための小窓。信じられない話ですが、帰りは案内人のおっちゃんに言われるがまま、この小窓を潜り抜けて外に出ました。詰まるかと思った。

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Ziriという小さい町でこれほど楽しい経験ができるとは期待していなかったし、こんなにたくさんの人に歓迎してもらって本当に思い出深い旅になりました。この企画に巡り会えたことに感謝です。

 

後日、スーパーに買い物に行ったら僕が載っている新聞が売られていました。

一面に僕の写真が載っているページがあり(恥ずかしすぎる)、ほか数ページに渡りこんな感じで僕の書いた感想のスロベニア語訳が掲載されていました。

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有名な観光地に行くのも勿論楽しいし、時にはこういう田舎で地元の人と関わりながら旅するのもまた違った楽しさがあります。