サラエボで最高なカフェを見つけた話(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)

ユーゴスラビアには七つの国境、六つの共和国、五つの民族、四つの言語、三つの宗教、二つの文字、一つの国家が存在している。

という言葉があって、旧ユーゴがあったバルカン半島はこの民族多様性に起因する民族間対立から、かつてはヨーロッパの火薬庫と呼ばれていたりもしました。

 

そんなバルカン半島に位置するボスニア・ヘルツェゴヴィナ(以下ボスニア)はボスニャク人、セルビア人、クロアチア人の3つの民族で構成されていて、異なる民族がそれぞれの宗教を持って混在しています。

民族間対立はこの国でも例外ではなく、最近までボスニャク人とセルビア人の衝突により起こったボスニア・ヘルツェゴヴィナ紛争が起こっていました。この紛争で起こったスレブレニツァの虐殺は、第二次世界大戦以降にヨーロッパで起こった最大のジェノサイド(大量虐殺)として認定されています。

 

そんな激動の歴史を歩んでいるボスニアですが、観光地としても非常に魅力的な国でもあります。ボスニアの首都Sarajevo(サラエボは、バルカンの観光名所であるドブロブニクザグレブベオグラードらを抑えてLonely Planetの世界の都市ランキングで43位にランクインしたこともあります。

 

そんなわけでサラエボに行こうと思って、ある日スロベニアリュブリャナからサラエボ行きのバスを予約しました。リュブリャナからサラエボまではバスで約11時間。21時発の朝8時着の予定でした。

 

 

バスの運ちゃんの大健闘により、サラエボに着いたのはなんと朝5時前。こんな時間に降ろされても普通に迷惑です。まだ暗いし、店も開いてないし、もうちょっと寝たいし。

 

日が昇るのを待って街を散策します。街を歩いていても、所々に銃弾の跡があるのが目に入ります。

まずは歴史でも勉強しようかと思い、Gallery 11/07/95という写真展へ。ここでは内戦当時の写真・映像が展示されています。

当たり前なんですけど、内戦は25年前の出来事なので、もちろん映像などはカラー映像です。映像ではスナイパーによる銃撃を避けながら町に買い物に行く人々などが映されていました。ここに映っている人たちが今も普通に街で生活しているんだろうなと考えると、何とも言えない感覚です。

結構ショッキングな展示も多いんですけど、サラエボに来て内戦のことを知りたいと思ったならこのGallery 11/07/95人道に対する罪と虐殺に関する博物館という場所に行くことをおすすめします。視覚的に内戦を理解するには最適な場所だと思います。

 

展示を見た後は、お昼を食べてカフェでコーヒーを飲みます。ちなみにこのカフェはタイトルにある最高なカフェではないです。

ボスニア料理にはチェヴァプチチとかブレクとかがあります。なかなか肉肉しいのですが、油っこくなくてすごく食べやすいです。安い物価で美味しいご飯が食べれるのもサラエボ含め東欧の魅力だと思います。

これはボスニアコーヒー。トルココーヒーがオスマン帝国占領時代にボスニアに定着したもの。f:id:nrtshg:20200510195823j:plain

コーヒーを飲んだら旧市街散策。

 

鳩に襲撃されてる人がいました。

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旧市街の街並み。京都っぽいとも言われる、他のヨーロッパの都市にはない独特な街並みです。

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ヨーロッパにある、石畳と木造建築の町。

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Eternal Flame(永遠の炎)という、サラエボファシストから解放されたことを記念して灯された炎。永遠と名にあるものの、紛争中の石油不足で一度は火が消えてしまったそうです。ここでずっと暖をとってるおじさんがいました。

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次の日はロープウェイで山へ。

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ここに来たのは、サラエボオリンピックのボブスレー会場の廃墟を見るため。1984年のオリンピックで使われたこのボブスレートラックは、内戦時にはセルビア軍の大砲の設置場所となりました。

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ボブスレートラックの上を歩いて下山します。

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途中道を外れたところに、銃弾だらけの廃墟を見つけました。後で調べてみたらかつては天文台だったらしいです。サラエボは色んなところに廃墟があるので、いろいろ調べてみると面白いです。

 

その日の夜、宿の近くに気になるカフェを見つけたので入ってみました。

店の名前はZlatna Ribica。ボスニア語?で、意味は金魚です。

なぜか全然写真を撮っていないので、お店のFBページから拝借した写真で紹介します。

 

このお店、大通りから外れた路地にある、なかなか分かりにくい場所にひっそりと位置してます。ドアを開けてみるとほんとに別世界でした。

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アンティーク調で統一された店内

 

店名の通り、金魚が飼われていました。

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ワインとかを頼むと、金のゴブレットに入って出てきました。

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見つけてから滞在中に数回来たこのお店、内装もさることながら、メニューもすごく美味しいです。ワインはセミスイートな感じですごく飲みやすかったし、カプチーノもシナモン風味だったりして一捻り入ってるメニューが多かった気がします。

このカフェに来るためにサラエボ再訪したいくらいです。

 

ボスニアヘルツェゴビナ、もちろんサラエボもまた行きたいし、サラエボとかモスタル以外のメジャーじゃない場所も掘り下げたいなぁと感じます。バルカン半島も、コソボアルバニアとかまだまだ行ってない場所があるので、またいつか機会があればバルカン周遊旅行とかしたいです。

 

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